タレメtoツリメnoアイダ   mikiwame’s diary

『いま』をデザインする ほどよい田舎暮らしのタレ目とツリ目から見える間の世界を届けています。

【実録 極・貧乏家族】 第8話  新しいお風呂とトイレ

プレハブと小屋生活も少し慣れてきたころ


父が仕事の合間に何かを作り出した。



父は建設関係の仕事をしているので
手は器用で、僕にはない才能を持っていた。


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自分の会社が倒産する前も
まだ倒産するとも何とも
思っていなかった時に、
仮設の事務所の場所に
1Fが事務所
2、3Fを住居にするプランを
考えていた。
父は設計士の資格は取得していないものの
自分で図面もひけるほどだった。



その時の楽しそうな父の姿は
今でも忘れない。
僕らも子供心に、父の図面を観ながら
新居に夢を膨らませたのを覚えている。


残念ながら、その夢は会社倒産という
結末で無くなりました。


しかし、何かを作る、ことの好きな父は
自分たちの住居である小屋の前に
簡易式のキッチンを作ったり
次に作ったのが、
新たに、建設会社のデットスペースに
新設のトイレとお風呂を作ったのだ。


これはもちろん建設会社社長の許可を得て
増築したものだ。


費用を抑える為、道具は建設会社のものを使用


バスタブは解体した物件から
廃棄分を再利用
トイレも同様の手法で作った。
使用する者は中古でも
外枠は、左官も出来る父の技術で
コンクリートできれいに作られ
子供ながらにびっくりしたのと
尊敬の念も覚えた。


これで部屋、キッチン、トイレ、お風呂、
生活環境はすべて揃ったわけだが

すべて離れているため、同線が長い


トイレに行くのも一度外に出ていくので
雨降りや台風の時などは傘をさしたり
面倒ではあった。

一番感じたのはお風呂

夏場や気候がいい時はいいとして
冬場はもう最悪だ。

屋外に新設してため、もちろん
脱衣所はない。

お風呂場の洗い場で着替え
服は棚の上に起き、
上がるときはすのこを引いて
その上で着替える。
よくよく体を温めて出ないと
急激な湯冷めに襲われるわけだ。


雪など降っていた日には
お風呂上りに
隙間だらけのプレハブまで歩いていくため
それだけで風邪をひきそうだった。


自宅にいながら
大好きなトムソーヤの冒険みたいな生活


しかし、そのおかげか
体が鍛えられたのか、
あまり風邪をひくことはなかった。


ここでは総合的に
父には感謝である。



つづく.....


次回は
【実録 極・貧乏家族】第9話
またイジメ 木刀を持った3人組に
襲われた をお届けします。


【この時の自分へ言葉をかけるとしたら】

〇いつの時代も何かを作れる人は凄い

〇トムソーヤの冒険に憧れていたら
 実際にそれに似た誰も身近では
 していない経験ができたことは
 不幸中の幸いだった。

〇やろうと思えばなんでも出来る



日本で好きな建築家の安藤忠雄さん
数々の近代的建造物を生み出してきた
日本を代表する建築家だ。
香川県の直島、島を丸ごとアートに仕立てた
建造物、宿泊施設は圧巻だ。

実は自分自身も父の影響で
倒産する前は建築家にも憧れていた。
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