タレメtoツリメnoアイダ   mikiwame’s diary

『いま』をデザインする ほどよい田舎暮らしのタレ目とツリ目から見える間の世界を届けています。

【実録 極・貧乏家族】 第12話 貧乏家族長男、お金を稼ぐことを学ぶ

mikiwame.hatenadiary.jp
幸いにも、木刀を持った3人組に襲われた
貧乏家族は、まさかの同級生の助太刀で
事なきを得た中学校3年生の春だった。

それから、時が経ち夏休みを迎えた。

受験のこともあったが、
貧乏家族には受験よりも追い求めている
ものがあった。


それは「お金」だ


周りの同級生も、夏休みアルバイトをするとか
そんな話を、授業の合間にしていた。

自分自身も、まだアルバイトをしたこともないので
興味はあったが、まだ一歩踏み出せずにいた。


そんな頃、母がパートに行っている工場で
夏休みだけアルバイトが出来ないかと聞いたが
中学生はダメだった。



そんな時、朝早く目が覚め、
プレハブ小屋の周りを散歩していたら
新聞配達をする若い学生らしき人を目撃した


そうだ、学校に行く前に
新聞配達をすれば、お金が入る


そんな単純な理由で
母に相談し、新聞配達が出来るところを
探してもらった。

新聞配達のアルバイトは
すぐに見つかった


お金に翻弄されてきた家庭において
貧乏家族を今後背負っていく運命にある
貧乏家族長男の初アルバイト



これは、自分にとってもワクワクする
出来事の1つだった。



早起きするのは血筋か得意な方だった


新聞屋さんから説明を受け
何件配るか協議が始まった。


一般的に1時間半くらいで配れる範囲と
部数を言われ、こちらとしても
初挑戦なので、取りあえずお任せした。


ついでに1つ下の個性のある弟にも
一緒に始めるようにした。


初日は緊張した、


この日から毎日5時起きが始まった。


新聞屋さんの担当の人が
バイクで案内してくれて
こちらは自転車のカゴや
後ろの荷台にくくり付けて
地図を観ながら、一生懸命配った。


取りあえず、初日だけついてきてくれて
翌日からは自分で回るように言われた。



ポストの場所や
新聞の入れ方、
門が閉まっていたら
こちらに入れるように
とか、家によってルールがあった。

また雨が降ったときは
専用のビニールに入れて配達したり
長期留守時には別なところに置いたり
配らなかったり


意外と単純なようで難しいアルバイトだった。


最初は慣れないせいもあってか
新聞が余ったりして
配り忘れがあり、クレームがよくあった。



その度に、配る新聞の束の上に
メモに大きく注意書きがされていた。


一方1つ下の弟は
新聞配達なんかやりたくなかった
みたいで、最初は泣きながら行っていた。


だが、社会に馴染めない個性的な弟は
あとでこの時の新聞配達に大きく助けられる
ことになろうとは思いもしなかったと思う。



1ヶ月経ち待ち望んだ
給料日がやってきた。


給料は手渡しだったため
母が預かってきてくれて
あとで受け取った。

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この時、自分の手の中にある
「お金」は不思議な感触がした。



確か1万5千円程だったと思う



今まで自分自身が持ったことのない
金額で、自分と言う労働力を使って
お金を稼ぐという何とも言えない感覚

それも今考えると時給ではなく
何件配ったかによる成果報酬型の
アルバイトで稼いだ。


もっと効率よく配って部数を増やせば
もっと稼げるようになる


貧乏家族が翻弄されて病まない「お金」


もっとお金を稼ぎたい
もっとたくさん働きたい
もっともっともっと稼いで
貧乏から抜け出したい


欲望が沸々と湧き上がってきた。



また自分の中で、学業よりも
働きたいと強く強く思った瞬間でもあった。


ただ新聞配達は休みが月に1度だけだった。



これは大変だった。



雨の日も雪の日もどんなときも


まさかこの新聞配達を3年続けるように
なるとはその時の自分は想像もしていなかった。



つづく......


次回は
【実録 極・貧乏家族】第13話
仕事か進学 運命の選択 
をお送りします。


【この時の自分へ言葉をかけるとしたら】

〇働いてお金を稼ぐことの大変さと楽しさを学んだ

〇継続する大変さを学んだ

〇リアルにお金と向き合った瞬間だ



学校が教える勉強だけでは稼げない
会社から任されれる仕事では稼げない
稼ぐ力を身に着ける
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