タレメtoツリメnoアイダ   mikiwame’s diary

『いま』をデザインする ほどよい田舎暮らしのタレ目とツリ目から見える間の世界を届けています。

【実録 極・貧乏家族】 第15話 プレハブと小屋からアパートへグレードUP⤴  貧乏家族長男の新しい夢

mikiwame.hatenadiary.jp
突然の父との別れが決まってから
母との新しい生活をスタートさせる
までに少し時間があった。


引っ越し先は両親が見つけていたので
詳しくは知らなかったが
住所「プレハブと小屋」からは
そう遠くないところを探していたようだ。


引っ越し先は気にはなっていたが
思春期の僕にはもっと気になる
ものがあった。
それは、中学校で流行っていた音楽だ。
今はほとんど見なくなったカセットと
言われる今で言うCD、音源を
収録する為のものだ。


当時は、ラジカセと言われるものが主流で
コンポと言われるものはまだ高価なものだった。


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もちろん、貧乏家族にコンポを買う
経済力はなく、何もしらない中学生は
ラジカセでも十分に購買力を掻き立てる
代物だったため、何度か家電販売店に視察にいった。


1ヶ月新聞配達で稼いだお金で
十分におつりがくるような金額だったので
迷わず、買うことを決めた。


期待に胸を膨らませ、
毎朝5時から学校が始まる前に
せっせと新聞を配ったお金で
初めてした大きな買い物。


メーカーは忘れたが
10,000円ほどの、
ダブルラジカセ、ラジオ付きだった


購入してまず聞いたのはラジオだった。


これは衝撃を受けた


リアルに届けられる
パーソナリティーの声と
耳にしたこともない音楽、


これにはもの凄い衝撃を受けた。


今までは学校から帰ってくると
外でサッカーなどをして遊んでいたが
ラジカセが来てからは
ラジオにハマった。


お気に入りの番組を聴きながら
隙間だらけのプレハブで過ごす
夜の時間は、いつしか
貧乏を忘れさせる時間になっていった。


そんなとき友達がカセットを貸してくれた。

それはラジオから流れる曲を
ランダムに録ったものだった。

これはまた衝撃だった。

もともと機械音痴な僕は
あまり説明書も読まず
ラジカセの機能もあまり理解せず
本能的に電波で流れてくるラジオに
ハマり、そればかりをルーティーン化
していた。

まさかこんな機能があるとはびっくりだった。


その中で、すごく気になった音楽があった。

それがBOOWYだった。

この時の衝撃はいまだに鮮明に覚えている。


ここからは想像通り、それからは
BOOWYのカセットを音楽ショップに
買いに行き、聞きまくった。


そんな時、両親から引っ越し先が決まった
と、言われた。
住所「プレハブと小屋」からは
数キロしか離れていない、
なんと「アパート」だという。


夜逃げして、


借家の一軒家に住み


家賃滞納で突然追い出され


ヤクザオヤジの用意した
物置部屋に住み


その次は、更にグレードダウンして
これまたヤクザオヤジが用意した
隙間だけのプレハブと小屋に住んだ



貧乏家族がついに、
人並みの暮らしが出来るアパートに
住むことになったのだ。


まさかのグレードアップ


これは嬉しかった。


ここでもう一つの出会いがあった。


新聞配達をしていた利点として
雨が降って濡れたとき用の予備に
2部ほど多く入れてある時があった。


配達分が濡れたりしなければ、
それは処分するように言われていた。


貧乏家族に新聞を取る余裕はなく
折り込み広告を見るのも
そんなときくらいだった。


ある時、新聞が余ったので
中学生の僕には
新聞の内容よりは広告に興味があり
色々見ていると、
ふと目に留まった広告があった。


それがギターの通信講座だった。


BOOWYに憧れていた僕は
運命的なものを感じた。


迷いもせずすぐに申込をした。


ギターがやりたい。


サッカーの夢以来の


貧乏家族長男の新しい夢が


自分の中に芽生えた瞬間だった



つづく......



次回の
【実録 極・貧乏家族】第16話
貧乏家族長男の進学
校舎内をバイクが走るとんでもない
公立高校
を、お送りします。


【この時の自分へ言葉をかけるとしたら】

〇物質的な欲求はお金があれば満たしてくれる
 と気付いた瞬間だった。

〇新聞配達をやってお金を手にしていなかったら
 音楽との出会いもなかったかもしれない

〇貧乏家族の中にいて、お金以外で
 心を動かされるものに出会えたことは
 本当によかった



通信講座、今でも通信教育、講座はあると
思うが、今はほとんどがオンライン講座
便利な世の中だ
何かを学ぼう、そう思ったときに
昔に比べると、学び方やスピードは
格段に簡単にスピーディーになっている。
やれない、やらない言い訳は通用しない。

やろうと思えば、すぐにTRYできる世の中
出来ない理由を探すより
出来ることをTRYして
ダメなら、合わないなら辞めればいい
チャレンジして、体験して考えても遅くはない
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