【実録 続・貧乏家族】第47話 ラットレースの敗者決定
闇金グループの卑劣な取り立てに
貧乏家族は揺れていた
毎日のことに、さすがの父も
参っている様子ではあったが、
参っていたのは父だけではない
僕も同じだ。
当時、父は夜逃げ以降、事業が失敗し
普通の金融機関からはお金が借りられる
状況ではなかったので、知人や身内
またはヤクザオヤジか闇金といった
ところからお金を借りるしかなかった。
今考えてみると安易なことをしたと思ったが
お金に困窮していた父はまたしてもヤクザオヤジの
悪だくみにまんまと引っかかることになった
ヤクザオヤジの提案で、
ものを購入する代わりに、その価値の分の
現金を渡す約束をされた父はその陰謀に
まんまと引っかかった上、その保証人として
僕になってほしいと言ってきたのだ。
僕は正直、保証人など身内でもなったら
よくないと父たちからも教えられてきて
なんで今、そう教育してきた父から
保証人の提案を受けているのか
よくわからなかったが、そのお金を
僕は用意することも、
この問題を解決することも
出来ない自分にはそうするしかないと
当時の僕は思ったのだと思うが
ついサインをしてしまった。
それから間もなく案の定、父は払えず
僕の財政は火の車になった。
それから間もなくのことだ
そのラットレースの敗者が
まさかの貧乏家族長男、僕となってしまったのだ。
首が回らなくなった僕は、弁護士に相談し
民事再生手続きを取ることになった。
人生は終わったと思ったが
担当弁護士がすごくいい人で
この手続きに関してのメリット、デメリット
社会的信用にかかわる今後の動向も
詳しくレクチャーしてくたおかげで
僕は少し気持ちが楽になった気がした
勿論、そのことは父や母は知らない
そんな中でも、相変わらずお金を要求されると
いくら親でも悲しい気持ちになっていった。
自分自身、何をやっているのだろうと
自暴自棄に陥ることもあった。
その頃、闇金からの取り立てに
疲弊しきっていた家族にも限界がきていた
僕は父と母に弁護士に相談することを進めた
事前に僕は弁護士に電話で相談していたので
弁護士にお願いすれば、違法な取り立ても
止まると言われたので
父に母を弁護士事務所まで連れてくるように
頼んで、僕と一緒に弁護士に事情を説明しにいった
弁護士はその場で、闇金に連絡をしてくれて
すぐに取り立ては止んだ。
謝礼もあまり出来ないことは
僕ら家族を見て察したのか
わずかな気持ちだけの弁護料でおさめてくれた。
本当に感謝という言葉だけでは
言い表せないほど、恩を感じた。
母たちもホッとして
またいつもの生活へ戻った
しかし.......