タレメtoツリメnoアイダ   mikiwame’s diary

『いま』をデザインする ほどよい田舎暮らしのタレ目とツリ目から見える間の世界を届けています。

『実録 脱・貧乏家族』第88話 父のお通夜 驚きの光景

70年の人生に幕を閉じた父のお通夜が
間もなく始まろうとしていた

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連日の疲れと葬儀の段取りで
みんな疲れていたので
葬儀場の霊安室に父を残したまま
次の日に備えた



そして迎えたお通夜当日


色々と初めての事ばかりで
とまどいを隠せなかったが
いよいよ父のお通夜が始まった


早めに到着したお坊さんに
挨拶をし、その後会場へと向かった


最初に親戚の人たちが訪れ
僕の会社の人が来てくれ
徐々に参列者が増えていった


まだ開始時間まで時間があったが
そこには僕らが予想もしなかった光景があった


あまり告知もせず小さくとり行うつもりだった
葬儀が大変なことになっていたのだ


それは父の仕事関係者の人たちが
おそらく現場後にそのまま
駆けつけてくれたのだ。


その他にも弟の会社の人たち

僕の取引関係の人たちも
来てくれていて
用意していた席では足りない程
父のために参列してくれていた。


これには僕らもただただ驚きと
父の人生が詰まっているようにも思えた


もうそれだけで胸がいっぱいになり
父も喜びと驚きを覚えているに違いないと
そう思えた瞬間だった


そしてお通夜が始まった


お焼香のとき、
参列者の方々から励ましの言葉を
いただいたり、父にお世話になった話
助けてもらった話など
急死した驚きと今まで父がやってきたことへの
感謝の言葉をたくさんかけていただいた。


すべてのお焼香が終わり
お坊さんのお経も最後に差し掛かったその時


お坊さんがいきなり


「喝っ!」


と、突然の掛け声に
子供達もびっくりして泣き
参列者も何事かと驚いたが
うちの宗派 禅宗では
この世とあの世を断ち切るために
最期に「喝」という掛け声をかけるという。



その後、お坊さんによる
ありがたい説法を聞き
僕の最期の挨拶へと移った


僕は用意されたあいさつ文を
読むだけでいいと言われていたが
これだけの父のことを思って
かけつけてくれた方々に
自分の言葉で話をしようと思い
少し涙を抑えながらあいさつをした


親父に見えているか?

これだけみんな親父のために来てくれたよ


僕は心の中で、照れくさそうに
坊主な頭をなでながら
笑う父の姿を思い浮かべながら
通夜の儀を終えた


to be continued・・・

次回の
『実録・貧乏家族』第89話
父との最後の夜
を、お送ります。



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