タレメtoツリメnoアイダ   mikiwame’s diary

『いま』をデザインする ほどよい田舎暮らしのタレ目とツリ目から見える間の世界を届けています。

『実録 脱・貧乏家族』第106話 最終話 父がこの世を去ってから1年 父と果たせなかった約束 そして・・・

脱・貧乏家族も
春を迎え長男坊の入園式も終え
平凡な生活を送っていた



最初は幼稚園に馴染めなかった
長男坊も、徐々に友達も出来ていき
少しずつだが園生活にも慣れてきたようだった



重度の白内障に悩まされ続けていた
母は、脱・貧乏家族邸まで
電車を使ってこれるほど光を取り戻し
今まで亡き父を人生の道先案内人と
してきた母もまた自分の人生を歩もうとしていた



夏がやってきて、父の初盆も滞りなく
済ませることができた


時は流れ、父が他界したとき
まだ生後3ヶ月だった次男坊も
1歳を迎えようとしていた。


僕ら脱・貧乏家族も
父が他界して少しずつだが
父がいなくなったことを実感するようになり
徐々に思い出を追うようになっていった


そしてその年の年末を迎え
いつも通り脱・貧乏家族の誕生日ラッシュは
続いていたが、父の死からまだ1年も
経たないこともあり
やや自粛ムードでお祝いをした。



クリスマス、年末と
去年までプレゼントを持ってきて
楽しそうに賑う脱・貧乏家族邸も
父がいない空虚感は埋めることができなかった



お正月が過ぎ、父の誕生日が来た

生きていれば71歳


僕らは父の大好きだった
蟹やお刺身を用意して
遺影を前に亡き父の誕生日会を行った


今考えるとこれから10日後に
父が倒れ、その一週間後に亡くなった


そして、父の一周忌がやってきた。


家族総出で夜逃げをしてから
ヤクザに追われ
借金取りに追われ
家とは呼べないところに住み
家族崩壊の危機にも何度も直面し
ようやく幸せと呼べる環境が
整ってきたときには
すでに父は70歳を迎えようとしていた

そしてまさか70歳でこの世を去ることに
なるとは思ってもいなかっただろう



お金に悩まされ続け
翻弄され続けてきた33年
長いようで僕には短い時間だった



父が亡くなる前の最期のお正月に
父と約束したことがあった


それは今年は家族で沖縄に旅行に行こう


父も賛成し、孫も連れての初めての旅行に
父もすごく嬉しそうだった




しかし、それから1ヶ月もしないうちに
父はこの世を去ってしまった

結果的に父との約束は
父の死をもって果たされることはなかった




僕らはその約束を父の一周忌が
終わったら計画をしようと考えていた


そして・・・


父の一周忌から2ヶ月後



僕らは父の遺影を胸に
母と共に沖縄の地を踏んだ




the end


今まで極・続・脱・貧乏家族を
購読いただいた皆様方、誠にありがとうございます


誤字脱字、文章力に乏しい内容で
読みづらさもあったと思いますが
これはフィクションではなく
実際にあった夜逃げから始まった
僕ら貧乏家族の実話です。


父は本当に家族を巻き込み
色んな苦労を家族みんなでしてきました


しかし、それが今となっては
いい思い出となり
いい経験になりました。


昔から貧乏は買ってでもしろ、とか
よく言われますが、出来れば買いたくはありません


しかし、この家族に出会えたこと
この父や母の子供で本当によかったと思います。


今は自分自身が父親となり
亡き父に代わって、自分なりの親父を
見せて生きればと思ってます。

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父 昭和22年1月06日生まれ 猪年
享年70歳


実録 脱・貧乏家族 父の誕生日に合わせて
106話にて終了します


ありがとうございました。