【実録 極・貧乏家族】第１４話 ヤクザオヤジの再来 突然の父との別れ

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仕事か高校受験かという
人生の大きな選択をした
貧乏家族長男は
公立高校受験合格という
まさかの結果に少し安堵の日々を
送っていた。

そんな中でも相変わらず
新聞配達はやっていた。

少し前の話に戻るが
おやつが白米と塩という
他の家庭にはないおやつ環境で
いつかはちゃんとしたおやつを
自由に食べたいという子供ながらの夢があった。

それが大好きなポテトチップスだ。

新聞配達をしたおかげで
あっけなくこの夢はかなえられたが
今まで食べられなかった反動か
毎日のように学校帰りに買って帰り
兄弟と食べていた。

そんな平凡な毎日を過ごしていたある日

またしても貧乏家族に事件が起きた。

その発端は、あの夜逃げ騒動から
ずっと貧乏家族に付きまとう
ヤクザオヤジだった。

その事件が勃発した日も、
いつものようにポテトチップスを買い
隙間だらけのプレハブに帰ると
あのヤクザオヤジの乗る
高級車が敷地内に止まっていた。

また嫌な予感と胸騒ぎはしたが
子供たちに害を与えないヤクザオヤジは
例のごとく、僕を呼びつけ、笑顔で
母と話があるから、お菓子でも買ってきなさいと
いって500円くれた。

高級車に乗っているんだから
少々少ない気はしたが、
言われるがまま大人の事情とやらを
察して、兄弟たちをつれて
その場を離れた。

いつもと只ならぬ雰囲気を察していたが
母も心配しないようにと僕らに言って
いたので、早く父が仕事から戻ることを
願って時間を過ごした。

夕暮れ時、ようやく父が仕事から戻った。

すぐに両親の住む「小屋」で話し合いが
行われた。

夕飯時にも関わらず、そんな状況ではないのは
わかっていたが、幼い兄弟たちも
お腹が空いたと言い出しので、
さっき買っておいたお菓子と
みかんで空腹を満たした。

2時間ほど経過した後
ようやくヤクザオヤジと両親の話し合いも
終わり高級車が出て行った。

とりあえず、夕飯を簡単なもので済ませ
プレハブに戻るように言われたが
僕だけは話があると言われ
そのまま小屋に残った。

どうやら、会社が倒産したとき以降
そのヤクザオヤジに多額の借金があるという。

その借金の毎月の返済が滞っていたため
ヤクザオヤジが取り立てにきていたらしい。

日々食べるのもやっとの状況

このプレハブと小屋のある建設会社も
そのヤクザオヤジの紹介だったため、
収入もすべて筒抜けだった。

このままでは返済も出来ないことを
わかっていたヤクザオヤジは
ある提案をしてきたらしい。

それは両親の離婚である。

家族を抱えたままでは
父が頑張って働いても生活費に
消えていくため、
一向にヤクザオヤジの元にも来ないので
両親が離婚すれば、母の方に
母子手当てが支給されるため、
それで母のパート代を含めれば
子供も育てられるだろうという提案だった。

両親の意向はもう決まっていたみたいで、
離婚することを、涙ながらに説明された。

公立高校合格のムードは一転
そのときの僕の感情は、
突然のことで言い表せないほど複雑で
どうなるのか不安で仕方なかったが
兄弟たちのことを思うと
しっかりしないといけないと
決意もした。

それから数ヶ月後
プレハブと小屋から少し離れた校区内の
アパートに母と兄弟4人で
引越しすることになり

突然、父と別れることになった

あとで聞いた話だが、
それから少しの間だけ
父はそこにいたらしいが
ヤクザオヤジに身柄を拘束され
また別な場所で働かせられることになった。

補足だが、父は休みや
仕事が早く終わったときに
隙間だらけのプレハブの横に
倒産する前に夢見ていた
自作の家を建てようと
骨組みまで作っていたが、
今回も完成させることが出来ないまま
またも父の夢は終わったのであった

つづく.....

次回は
【実録　極・貧乏家族】
第１５話　　プレハブと小屋からアパートへ
貧乏家族長男の新しい夢
をお送りします。

【この時の自分へ言葉をかけるとしたら】

〇自分で稼いだお金で買ったポテチの味は
　格別だった

〇突然の出来事だからこそ
　受け入れるしかなかった

〇人生は金が全てではないが
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